精神科医を目指す医大生の備忘録

精神科に興味あるけど、どうやって勉強したらいいかわからない。という悩みを解決するために医師国家試験を解説しつつ、勉強していくことにしました!一般の方でも解けちゃったりするので、ぜひともお付き合いくださいませ!

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114C13 不眠症への適切な指導

医師国家試験(2020年) 114C13 

入眠困難を主訴とする不眠症の成人患者に対する指導として適切なのはどれか。

a 「一定時刻に起床し日光を浴びましょう」
b 「可能な限り早い時刻に就床しましょう」
c 「就床前にアルコール飲料を飲むようにしましょう」
d 「一晩に8時間以上就床しているようにしましょう」
e 「就床後、入眠できない時はじっと眠気が来るのを待ちましょう」

 

睡眠に関する問題も医師国家試験ではよく出題されますね。

正解はaになります。

 

不眠の原因は5Pにまとめられます。

  1. Physical 身体的
  2. Physiological 生理的
  3. Psychological 心理的
  4. Psychiatric 精神疾患関連
  5. Pharmacological 薬剤性

 

身体的というのは、疼痛や痒み、呼吸困難などの不快感を感じる病気などがある場合です。

 

生理的というのは、時差や医療従事者の夜勤による概日リズム(サーカディアンリズム)のずれによって生じる場合です。

 

心理的は、ストレス・不安などです。

 

精神疾患関連はうつ病統合失調症が原因として挙げられます。

 

薬剤性はステロイドインターフェロンといった薬やカフェインの過剰摂取などが挙げられます。

 

不眠の症状は、入眠困難中途覚醒・早期覚醒に分けられます。うつ病・加齢・寝る前の飲酒によって中途覚醒や早期覚醒がみられるとされます。ですので、選択肢c「就床前にアルコール飲料を飲むようにしましょう」は誤りですね。

 

入眠困難の場合は、睡眠時間にこだわらず離床するのが良いとされます。眠くないのに、ベッドに入ってしまうと、ベッド=寝る場所という前提がくずれるので逆に寝れなくなるようです。これは以外ですよね。自分も昔は寝れない時もとにかく布団に入ってゴロゴロしてたのですが、逆効果だったということを医学部に入ってからしりました(笑) ですので、b 「可能な限り早い時刻に就床しましょう」も誤りですね。また同様にe 「就床後、入眠できない時はじっと眠気が来るのを待ちましょう」も誤りと言えます。

 

逆に起床時間は一定にし、起床後は日光を浴びて体内時計を正常に戻すのが良いとされています。ですので選択肢a 「一定時刻に起床し日光を浴びましょう」は正解ですね。

 

最後に選択肢d 「一晩に8時間以上就床しているようにしましょう」ですが、睡眠時間はひとそれぞれですので誤りですね。ちなみに私はだいたい8時間くらい寝ないとダメですね。一時期、ショートスリーパーに憧れた時期もありますが、無理なものは無理なので、最近は睡眠時間はしっかり確保するようにしています。

 

ちなみに、2017年にサーカディアンリズムに関する研究にノーベル賞が与えられて以来、医師国家試験では睡眠の出題は熱い気がします。他の国家試験ではどうなんでしょう。またおいおい解いていくうちに分かれば良いなと思います。

2017年ノーベル生理学・医学賞:体内時計を生み出す遺伝子機構の発見で米の3氏に | 日経サイエンス

 

 

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