精神科医を目指す医大生の備忘録

精神科に興味あるけど、どうやって勉強したらいいかわからない。という悩みを解決するために医師国家試験を解説しつつ、勉強していくことにしました!一般の方でも解けちゃったりするので、ぜひともお付き合いくださいませ!

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【書籍紹介】初学者にお勧めしたい精神科の本まとめ~2020年編

2020年もあと少しで終わりですね。

ということで、今年読んだ精神科関係の本で、初学者の自分でも読みやすかった本を簡単にまとめさせていただきます!

 

導入は漫画に勝るものはなし!

Shrink~精神科医ヨワイ~

一つ目は、Shrinkという精神科に関する漫画です!

最近第4巻が販売されたのですが、精神科の疾患について初学者でも理解やすいように、丁寧に描かれた漫画です。イラストも個人的には大好きです。

 

第一巻のメッセージは次のように記載されています。

パニック障害うつ病発達障害──。隠れ精神病大国と呼ばれる日本は、その名の通り、精神病患者の数自体は、アメリカ等と比べると少ない。その一方で、自殺率は先進国の中でも最悪レベル。悩んでいても“精神科は特別なところ”という思いこみが、人々の足を遠のかせてしまう…。
精神科医・弱井は、そんな日本の現状を変えていき、一人でも多くの“心”を救うべく、こう願う──。
「僕はこの国に、もっと精神病患者が増えればいいと思っています」

 ストレス社会と言われて久しいですが、まだまだ「精神科や心療内科に行くのはちょっと…」と考えてしまう人も多いのが現状です。

その一つの原因としては、「精神科ではどのよな医療が行われているかイメージできない」ことがあると思います。

この本では、パニック障害うつ病発達障害双極性障害摂食障害といったメジャーな精神疾患についての診断方法や治療について丁寧に描かれているので、読み進めるうちに精神科ってそんな特別な場所じゃないんだーと思っていただけるのではないでしょうか?

漫画のため、肩ひじ張らずに読めるので、「精神科ってどんなところだろう?」と思っている方にはおすすめです。来年以降の続編も期待ですね。

 

精神医療に携わる援助者側の考え方を知るならコレ!

援助者必携 はじめての精神科

一般の方というよりは、精神医療に興味がある方向けの本にはなりますが、ですます調で、初学者でも読みやすく記述されています。

 自分は、精神科に興味を持ち始めてから「治療する側の医療者は、どういう考え方で患者さんに向き合っているんだろう?」という疑問があったんですが、それを解消してくれる本でした。

 

本の紹介メッセージはこんな感じです。

きれいごと一切ナシ!
口は悪いが役に立つ!

同じ精神科の最前線で働く者だけが知る共感力を全開にした「超実践的アドバイス」集は、いよいよ第3版へ。
クレーマー対策、援助者としてのアイデンティティの保ち方、当事者・家族に対峙する時のちょっとしたコツなど、「こんなこと、誰も教えてくれなかった」度はますますアップ!
はじめて精神科に足を踏み入れたなら誰もが感じる「不安」が、優しく解きほぐされます。

 

 著者の春日先生は多数の本を執筆されているのですが、タイトルに「はじめての」とあるように春日先生の本の中で一番初学者向けだと思います。

 

目次は次のような感じです。

はじめに

I アプローチの基本――迷わないための考え方
 1 援助者としての姿勢を自己点検する
  2つの姿勢を使い分ける
  たとえばクレーマーと向き合うとき
  「経験」とはパターンを増やすこと
  パターンとしての病名
  「そうこなくっちゃ」というセリフのこと
 2 人は素直に助けを求められない
  困っているのは誰か
  選択肢というキーワード
  妄想という説明装置
  人はつらさを何かに託す
  もう一度、困っているのは誰か?
 3 心の余裕がすべてに優る
  陰性感情は伝わるか
  「様子を見る」ために
  「待つ」ために
  人事を尽くして天命を待つ
 4 「問題が解決する」とは?
  解決より「落としどころ」
  目標設定という落とし穴

 個人的にこの本が好きな理由は、きれいごとでなく、精神科医療のリアルを記述してくれる点です。

私自身、精神科の勉強をするまでは「精神科に行けば、患者さんの病気はきれいさっぱり治る」的な安易な発想を抱いていたのですが、この本を読んで見事に打ち砕かれました。

もちろん、ADHDの注意欠陥症状や軽度のうつ病など治療によって奏功する場合もあるのですが、認知症や慢性期の統合失調症などは現代医学では簡単に治るものではありません。

変な希望を抱かせるのでなく、リアルな現実を伝えてくれる点に非常に共感が持てました。

目次の『解決より「落としどころ」』からも伝わるように、現実の精神科医療は結果を白黒ハッキリさせることは難しく、その中間の良い「落としどころ」のグレーゾーンを探していくという感じなのだなーというが理解でき、精神科医療に従事するのはなかなか大変なのだろうなと知ることができました。もちろん、その分やりがいもあるのだと思います!

 

いずれにせよ、初学者が「精神科医医療の現実を知る」という点では非常におすすめの一冊です。(2000円ちょっとと医学書にしてはお手頃価格ですし(^^♪)

 

少し真面目に精神科の勉強を始めるならコレ!

専門医がやさしく語るはじめての精神医学

 精神科医の渡辺先生が、看護学生向けに執筆された本です。

専門医がやさしく語るはじめての精神医学

 ちゃんと精神科を勉強しようと思うと一度は教科書的な本を読んだ方が良いと思います。

ただ、医学生向けの本は「値段が高い、分厚い、難しい」の三重苦でなかなか手を出しにくいですよね。自分も御多分に漏れずそんな感じだったのですが、この本はオーソドックスな内容を平易に記載されているので、初学者でもつまずかずに読めると思います。

 

精神科医療にかかわるメディカルスタッフ(看護師,臨床心理士理学療法士作業療法士精神保健福祉士など)をめざす学生に向けて精神医学の講義を長年受け持ってきた著者の「講義ノート」をまとめた好評教科書の改訂第2版.DSM-5,新薬,法改正に対応し,さらにわかりやすくなった精神医学の入門書.

 

看護学生向けの本は、内容がうすい」なんて考える方もいらっしゃいますが、個人的には必要最低限の内容を平易にまとめるというのは、精神科の本質を理解していなければ成し遂げられないことだと思いますので、個人的にエッセンスがギュッとつまった素晴らしい本だと思います。

 

もちろんこの本を読んで、もっと詳しく学びたいという方は、「標準精神科学」など有名な本もぜひ読んでみてください!

 

精神科の本を読んでつまずいたらコレ!

精神疾患にかかわる人が最初に読む本

 妄想知覚、言葉のサラダ、観念奔逸、思考奪取・・・・など、精神科の用語と初学者泣かせですよね(´;ω;`)自分自身、最初はここでつまずきました・・・・

 

そんなあなたも、この本を読んだら解決です!

精神疾患にかかわる人が最初に読む本

精神疾患にかかわる人が最初に読む本

  • 作者:西井重超
  • 発売日: 2018/10/29
  • メディア: 単行本
 

精神医学の必要最小限の知識を、イラストを用いながら、ひとめでわかるように解説した精神医学の入門書。
いろんな人とうまくかかわることが出来るようになるための精神症状と疾患がわかるようになる1冊。 

 

滅裂思考とか、妄想着想などの精神科用語を漫画のイラストとわかりやすいキャッチフレーズでまとめてくれている本です!

精神科を勉強して、精神科用語アレルギーになった方の救世主となる本です。

こういう難しい概念を素人でもわかりやすいように解説できる人は本当にすごいなと尊敬します。

著者の西井先生は「はたらく人・学生」向けのクリニックを開業されているみたいでなかなかユニークに取り組みをされている方です!

 

自分も精神科用語をわかりやすく説明できるように日々努力中でございます。

d-lemon.hatenablog.com

 

以上が今年読んだ中で、精神科初学者向けだなと感じた本です。

これ以外にも素晴らしい本はまだまだたくさんあると思いますので、また来年色んな本に出合えるといいな~と思える次第でございます!

以上、長文お付き合いありがとうございましたー<m(__)m>

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